皆様、平素より大変お世話になっております。
管理業務課の矢原です。
最近やたらと水の事故が多いです。
いや、別に子どもがプールで溺れたとかそういうことではなくてですね。
いわゆる階下漏水、水漏れってやつですね。
年末にも結構大規模な階下漏水があって緊急出動しましたが、年が明けても週一以上のペースで市内どこかしらで水漏れしています。
正直ペース的には異常です。
原因は様々です。
給水、排水。そして給湯管が原因のこともあります。
設備の老朽化による破損は皆様ではどうにもなりませんが、それ以外の理由であれば意外と未然に防げたり。
よくある話では洗濯機の給水ホースが何かの拍子で外れて、解放したままにしていた蛇口から水が溢れるとかですかね。
私が退去検査に行った物件は順次、オーナー様の協力のもと、緊急時の水漏れを防ぐ止水弁付きニップルに変えるよう心がけていますが、いまだ通常の蛇口がついている物件はごまんとあります。
ああ、停止弁付きニップルっていうのはですね。
これのことですね。
さてさて、皆さま。
洗濯機の蛇口、常時開けたままにしていませんか?
ほら、今すぐ確認してください。悪いことは言わないから。
何かあってからでは遅いですからねえ。
覆水盆に返らずですよ。お盆と言うよりは、吐水口ですけども。
面白い話ではこんなこともありました。
当時は笑い事ではないのですが、笑い話にしてしまいましょう。
あれは何年前だったでしょう。
日が短い真冬の夕方のことでした。
当時の私はまだ営業で、事務所で契約処理の真っ最中。すでに留守電応対に変わった事務所の電話がけたたましく鳴り響きました。
「階下漏水で人手が足らない。応援を求む」
悲痛な、救援要請でした。
繁忙期でしたので、是非もなし。
現場へ急行すると拭いても拭いても壁から水が溢れてくる、結構な修羅場でございました。何より寒い……。凍える。凍え死ぬ。
問題はこの漏水の原因でございまして。
直接的な原因はなんでもない、ただのひとつのお椀でした。
その日、当該の建物には水道工事の予定が入っておりました。
短時間ではありましたが、断水を伴うもので。
結果的にはその断水がこの悲劇の引き金を引いてしまったのです。
漏水元の部屋の主は断水のことを知ってか知らずか、勿論私どもは周知はしておりましたが、蛇口をひねり、水が出ないことを確認すると、何を思ったか、いやむしろ思わなかったのか、蛇口を開けっ放しにして外出したのでした。
無論、これだけであれば、せいぜいこの部屋の水道メーターが、一時期流行ったハンドスピナーが如く、くるくると回り続けるだけであったでしょうが。
運が悪いことに蛇口から放たれた水の先には洗う予定だったお椀があったのです。
食器を洗ったことのある方ならピンときたのではないでしょうか。
蛇口の下にお椀を置いて、勢いよく水を落とせばどうなるか。
ピンと来ない方はまあ、やってみてくださいな。
百聞は一見にしかずと言いますし。
ああ、そこではダメです。
お風呂場で、お風呂場でお願いします。
……わかっていただけましたかね?